25年4月10日
2月4日(火曜日)、大家地区区長会の皆さんと大家地区の市議会議員6名、城山地域交流センター所長、総勢22名での参加でした。(写真をクリックすると大きくなります)
茨城県笠間市の「笠間クラインガルデン」と茨城県那珂郡東海村にある日本原子力発電(株)東海原子力館本館の2ヵ所を視察、意見交流をしてきました。
都心から約100km離れている笠間市。人口は訳7万3千人。年々高齢化が進み、農業の後継者が減り、2000年(平成12年)5,043戸あった農家数が2020年(令和2年)3,276戸と減少。経営耕地面積も4,538haから3,400haまでと減少。そこで1994年度(平成6年度)笠間市農業活性化基本構想の策定し、笠間クラインガルデン構想を具体化し、農園施設や農産物直売所、そば処、続いてクラブハウス等オープン。一般財団法人「笠間市農業公社」から「株式会社マイファーム」に管理運営を移管して現在活動しているとのことでした。
笠間クラインガルデンの理念として
などを謳っています。
現在は、主に60代、70代のシニアの方々が主となっている。年間契約で週末や夏休みを利用して定期的にハウスに泊まり、自分のハウスの庭で野菜を栽培、収穫して農業を体験できるというものでした。農業を通じて笠間市が気に入って移住した方もおられるとのことでした。
利用者は東京が一番多く、次に埼玉県、茨城県、千葉県の順でした。シニア世帯が車で100km近くの距離を車で飛ばしてきて農業体験をし、何年間できるのだろうか、若い次世代にも興味をもってもらえるようにPRしていくなど農業対策、人口減少の食い止めとなるか、課題もあるようにも伺えました。
もちろん、現地での日帰りでバーベキューや季節の果物狩りもできます。施設の周りも清掃がよく行き届いていて楽しそうな場所でした。
残念ながら当日は、農産物直売所や地域食材供給施設(レストラン)なども休みの日となっていたため、農産物をじかに手にして賑わいを体感することはできませんでした。
次に那珂郡東海村にある日本原子力発電(株)東海原子力館本館を見学してきました。ここは1966年(昭和41年)7月に東海発電所営業運転開始。2001年(平成13年)12月に東海発電所廃炉措置に着手。1978年(昭和53年)11月に東海第二発電所営業運転開始。2018年(平成30年)、東海第二発電所の運転期間延長が認可されて46年間運転し続けて、現在に至っています。ここは日本初の大型原子力発電所として営業展開をしたところです。
最初に本館に入って、すぐに燃料集合体の構造模型が目に入ってきました。原子炉東海第二発電所の説明を聞きました。沸騰水型軽水炉の仕組みの説明でした。
初めに核分裂で発生した熱で、原子炉内の水を沸騰させます。次に発生した蒸気で直接タービン発電機を回して発電します。その後、蒸気は腹水器を通り、海水で冷やされ水に戻り、再び原子炉内に送られます。
屋上に上って眺めるとすぐ近くには太平洋が望めます。津波から発電所を守るために現在、工事が行なわれていました。発電所の周りをぐるりと防波堤の杭が打ち込まれている工事をしていました。最大17mの津波に耐えられる高さ20m、厚さ3.5mのある大型壁が完成途中でした。また核燃料を冷やし続けるための工事、電源を絶やさないための工事など安全対策工事を行なっていました。
自然災害だけでなく、原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突といったテロ行為等が発生した場合に備え、工事も始まっていました。
今回の東海第二発電所は開始してから46年経過しています。政府はこれを2038年までの60年の運転期間の延長を認可しました。2011年(13年前)に起きた福島原発の状況が蘇ってきます。地震大国の日本において、福島原発は地震と津波による甚大な被害でした。原子炉建屋が崩れてメルトダウンがおきました。13年も経っているのに解決の糸口はまだまだ先が見えてきていません。
このような事態は起きてはならないことですが、安全上、本当に大丈夫なのかと危機意識がさらに高まってきます。通常の勤務以外の人も含め、現在3,900人の労働者が働いているのです。
ジャーナリストの鮫島浩氏は、以下のように書いています。
能登半島で起きた地震ですが、震源付近がかつて「珠洲原発」建設予定地だったこと。その場所は揺れただけでなく地盤が大きく隆起しました。もし建設されていたならば、原発そのものが粉々になり、日本全土に壊滅的な被害をもたらされていたかもしれません。
「珠洲」の計画中止は地元住民の反対運動があったからで、当時の専門家はここには大きな地震も津波も来ないと言っていたのでしょう。心底、ぞっとします。志賀原発でも専門家の予測を超えたことが起きましたね。
私たちの生活の中で、原発側に立ち続ける効率の良い生活が果たしていつまで続けることができるのでしょうか。自問自答しながら帰路に着きました。
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